まずは自分の車の取扱説明書から
電気自動車のバッテリーは、メーカーごとに使っている電池の種類も管理の仕方も違います。車の中のバッテリー管理装置が温度や充電速度を自動で調整し、ソフトウェアの更新でその動きが変わることもあります。ですから、ネットで見かける「何パーセントまでしか充電するな」といった話をそのまま信じるより、自分の車の取扱説明書やメーカーのアプリ、公式サイトの案内を先に見るのが正解です。この記事は多くのメーカーの案内に共通する原理をまとめたもので、説明書と違う場合は説明書に従ってください。
普通充電と急速充電は役割が違う
普通充電は、自宅やマンション、職場の駐車場のように車を長く止めておく場所で、数時間かけてゆっくり満たす方法です。急速充電は、高速道路のサービスエリアや充電スポットで、短い時間に多く入れたいときに使います。急速充電はバッテリーが減っているときにいちばん速く、満ちるほどバッテリーを守るために速度を大きく落とします。そのため急速充電器で満タンまで入れようとすると時間がかかり、後ろで待つ人も増えます。ふだんは普通充電を中心に、移動中は必要な分だけ急速で入れる習慣が効率的です。急速充電の割合をどう勧めるかはメーカーによって違うので、説明書を確かめてください。
日常の充電範囲を決める
リチウムイオン電池は、充電量がとても多い状態や、とても少ない状態に長くとどまると負担がかかることが知られています。そのため多くの車には充電の上限を自分で決める機能があり、ふだんは上限を低めにしておき、長距離の出発前だけ満充電にするよう案内しています。逆に、電池の種類によっては定期的に満充電にするよう勧めるメーカーもあります。どちらにしても、答えは自分の車の案内にあります。
- 説明書が勧める日常の充電上限を確かめる
- 長距離の前は出発直前に合わせて充電する
- 残量がほぼない状態で長く放置しない
- 満充電のまま何日も止めておかない
冬は余裕をたっぷりと
バッテリーは寒さに弱く、気温が低いと航続距離が短くなり、充電速度も落ちることがあります。車内の暖房にもバッテリーの電気を使うので、冬は同じ距離を走っても残量が早く減ります。車が対応していれば、充電器につないだまま出発前に車内とバッテリーを温めておく機能を使いましょう。急速充電スポットへ向かう途中でバッテリーを温める機能を持つ車もあります。シートヒーターやハンドルヒーターは、車内の空気全体を温めるより電気を使わない傾向があります。冬の長距離では、充電の間隔をいつもより短めに計画してください。
夏と長く止めておくとき
高温もバッテリーにはよくないので、真夏はできるだけ日陰や屋内に止めましょう。旅行などで長く車を止めておくときは、メーカーが勧める保管時の残量があるか説明書で確かめます。意外によく起きるのは、走行用の大きなバッテリーではなく、ドアロックやメーターなどを動かす12V補機バッテリーのトラブルです。大きなバッテリーに十分な残量があっても、補機バッテリーが上がるとシステムが起動しなかったり、ドアが開かなかったりすることがあります。ドライブレコーダーの常時録画のような装置が補機バッテリーを消耗させることもあるので、長期の駐車前には設定を確かめてください。
充電器の使い方とマナー
公共の充電器は、多くの人が共同で使う設備です。充電が終わったあとも車を長く止めておくと、次の人が使えません。充電区画の占有に関する決まりは地域や施設によって違い、変わることもあるので、現地の案内表示と自治体の公式案内を確かめてください。
- 差し込む前にコネクターとケーブルにひび割れや焦げがないか見る
- 充電区画の中にまっすぐ止める
- 画面の案内どおりに始め、充電中になったことを確かめる
- 終わったら充電を終了し、ケーブルを落とさないようにホルダーに掛ける
- 充電が終わったらすぐ車を移動する
充電中の安全の決まり
傷んだケーブルや出どころの分からない変換アダプターは使わないでください。携帯用の充電器を家庭のコンセントにつなぐときは、電源タップや延長コードを使わないよう案内するメーカーが多くあります。公共の充電器は雨でも使えるように作られていますが、ぬれた手でさわったり、コネクターの中に水がたまったまま使ったりはしないでください。車が水につかったことがあるなら、充電も起動もせず、まず整備工場に連絡します。充電中に焦げたにおいや煙、いつもと違う音がしたら、安全な場合にだけ充電を止め、車から離れて119番に通報してください。自分で火を消そうと近づかないでください。
バッテリーの状態を見守る
メーターにバッテリーや充電に関する警告灯がついたら、説明書で意味を確かめて点検を受けてください。同じ季節、同じ道で航続距離が目に見えて減ったなら、点検を受けるべき合図です。バッテリーの保証期間と条件は車ごとに違うので保証書を確かめ、定期点検はメーカー指定の整備網で受けるのが安心です。充電料金や補助金の制度はよく変わるので、この記事には書いていません。最新の内容は、国や自治体、充電事業者の公式案内を確かめてください。この記事は一般的な原理を説明するもので、実際の管理方法は取扱説明書とメーカーの案内に従ってください。
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